こどもがいると良くも悪くもこども優先の生活になってしまいがちです。試合を観にいったり、学校や地域の行事があったり…。やっと時間ができて映画館に行くとなっても『すずめの戸締り』や『スラダン』だったり、『青ブタ』だったりします。
観たいなと思う映画は近場のシネマコンプレックスでは上映していないことが多く、名古屋のミニシアターに行く機会もなかなかつくれません。そこで動画配信やレンタルサービスをつかってひとり観ることが多くなりました。(そんななか、名古屋シネマテークの閉館のお知らせがありました。残念です。ほかのミニシアターにもなるべく足を運ぶことでささやかながら応援していきたいと思っています。)
今年に入って観たものの中では、『LAMB/ラム』『MONOS 猿と呼ばれし者たち』『ジャッリカットゥ 牛の怒り』が印象に残っています。
そのなかのひとつ『PIG/ピッグ』は、森のなかでトリュフ狩りのブタ(とてもかわいい)と静かに暮らしていた男が、誘拐されたブタを追って街に出ていくストーリーです。ニコラス・ケイジの長髪ひげ面がパッケージに使われており、「慟哭のリベンジスリラー」と紹介されているので、どんな手をつかって暗黒社会に乗り込んでいくのか…とわくわくしていたのですが、よい意味で予想を裏切られる作品でした。
『PIG/ピッグ』も『LAMB/ラム』も森のなかや山で近代文明から距離をおき質素に暮らす人が主人公です。その環境でそれまでの平和な暮らしをつづけたかっただけなのに…という願いが叶わない喪失感が美しい映像とともに心を抉りました。
