<責任>の生成 中動態と当事者研究

ここしばらく、隣接する市の図書館に通っています。取り揃えている本も図書館によってそれぞれ違うので、ときどき別の図書館に行くとたのしみが増えます。 最近、借りて読んだ中でよかったのは劉 慈欣『円 劉慈欣短篇集』、カズオ・イ続きを読む “<責任>の生成 中動態と当事者研究”

ヤン・シュヴァンクマイエル「オテサーネク 妄想の子供」

チェコの映画監督であるヤン・シュヴァンクマイエル(1934-)は、実写とアニメーションを融合した独特の作品をつくっています。これまで、不思議の国のアリスをモチーフにした長編映画『アリス』と、ヨハン・ファウスト伝説を基にし続きを読む “ヤン・シュヴァンクマイエル「オテサーネク 妄想の子供」”

チャック・パラニューク降臨

早川書房主催のイベント「パラニューク降臨!『ファイト・クラブ』作者が語る小説と世界の現在地」にオンライン参加しました。 イベント名にも掲げられているように、小説家チャック・パラニュークは、デイヴィッド・フィンチャー監督の続きを読む “チャック・パラニューク降臨”

「タイタニック」と精神科医

ジェームス・キャメロン監督作で1997年に公開された映画『タイタニック』が25周年3Dリマスター版として劇場で再公開されています。初回公開当時は商業的にも大成功したり、アカデミー賞の最多受賞作品になったりと、たいへん話題続きを読む “「タイタニック」と精神科医”

「ひとまねこざる」とレイ夫妻

『ひとまねこざる』は好奇心旺盛なさるのじょーじが主人公の物語です。じょーじは黄色い帽子のおじさんにアフリカから連れてこられて、一緒に住んでいます。そんなじょーじの日常が絵本では綴られています。 夫であるH.A.レイがおも続きを読む “「ひとまねこざる」とレイ夫妻”

ヤン・ポトツキ「サラゴサ手稿」

“ポーランドの貴族ポトツキが仏語で著した奇想天外な物語。(岩波書店)”  と紹介される『サラゴサ手稿』の存在をはじめて知ったのは国書刊行会の世界幻想文学大系〈第19巻〉でした。『ヴォイニッチ写本の続きを読む “ヤン・ポトツキ「サラゴサ手稿」”

ロバート・コルカ―「統合失調症の一家: 遺伝か、環境か」

先月、(少なくとも私の周囲では)話題沸騰中の「統合失調症の一族」を読了しました。12人のこどものうち6人が統合失調症を発症したアメリカのとある大家族の軌跡を追うノンフィクション作品です。両親の馴れ初めから、家庭環境、発症続きを読む “ロバート・コルカ―「統合失調症の一家: 遺伝か、環境か」”

「ゼロの未来」と「未来世紀ブラジル」

2013年に製作されたテリー・ギリアム監督のSF映画『ゼロの未来』を観ました。荒廃した都市とネットワークによる監視社会、サイケデリックで風変わりな登場人物、とテリー・ギリアム・ワールド全開な作品でした。 近未来世界。世間続きを読む “「ゼロの未来」と「未来世紀ブラジル」”

「エコール」と「エヴォリューション」

映画「エコール」と「エヴォリューション」が同じ監督の作品と知らずに立て続けに観ました。これも何かの縁かと思い、文として記録に残したいと思います。 ルシール・アザリロヴィック(1961-)はフランスの映画監督です。「カルネ続きを読む “「エコール」と「エヴォリューション」”

京都国際マンガミュージアム

数か月前になりますが、京都国際まんがミュージアムを訪れました。京都市とマンガ学部がある京都精華大学の共同事業で、博物館のような図書館のような文化施設です。約30万点の資料が保管・管理されており、そのうち5万冊のマンガは管続きを読む “京都国際マンガミュージアム”