回文「つつみがみっつ」

みなさん、「回文」はご存じでしょうか。上から読んでも下から逆に読んでも同じ音になり、なおかつ、​ことばとしてある程度、意味が通る文のことです。

福音館書店のこどものともシリーズに土屋耕一「つつみがみっつ」という絵本があります。主人公の少年とその両親が、新年のあいさつのために自宅から知人宅に向かい、帰るまでのお話しです。この絵本、なかの文がすべて回文になっているのです。小さかった頃、お気に入りだったこの絵本は祖父母の家に置いてあり、遊びに行くたびに何度も読んだ記憶があります。こどもにとっても回文はとても魅力的なものですね。

「つつみがみっつ」作の土屋耕一 (1930-2009) は数々の企業広告のコピーをつくりだしたことで知られる、日本のコピーライターの草分け的存在です。多くの回文を考えだしたことでも知られており、「軽い機敏な仔猫何匹いるか 土屋耕一回文集」として出版されました。

「つつみがみっつ」の絵はたざわしげると記載されています。油彩画家の田澤茂(1925-2014)のようです。1975年の出版物ですが、たのしいイラストは時代を越えて読者をうきうきさせてくれます。こどもだったわたしはこの絵本のなかでは、主人公の少年が両親にともだちを紹介する場面ででてくる「このみくん、三年三組の子」という回文がお気に入りでした。いまでも覚えています。絶版で入手しづらいのがとても残念です。

イラストレーターの和田誠 (1936-2019) も土屋耕一と同様に、ことばを愛するひとでした。絵本「ことばのこばこ」は、しりとりや同音異義語をつかっただじゃれ、なぞかけなどことばの遊びに溢れた作品です。このなかにも回文がでてきます。こどもの頃に何度も何度も読んだので、実家にある絵本はもうぼろぼろになっています。

さきほど紹介した 「軽い機敏な仔猫何匹いるか 土屋耕一回文集」 の装幀や段組みは、和田誠さんが手がけています。また、土屋耕一さんのしごとをまとめた二冊組の本「土屋耕一のことばの遊び場。」は和田誠さんがコピーライターの糸井重里さんに依頼してつくった本だそうです。ことばの魔術師たちによる素敵な作品です。

(福音館書店のサイトより)

投稿者: Naho KONOIKE

大学の研究室で脳の研究をしています。このサイトでは、研究活動の紹介とともに日々感じたことなどを綴っています。このサイトのコンテンツは個人の見解であり、所属する機関とは関係ありません。

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