以前ご紹介した精神科医の式場隆三郎(1898-1965)は、現在はアウトサイダー・アートとよばれる作品たちを日本で先駆けて見出し、評価した存在でもありました。
式場は東京・深川に建てられた奇怪な個人住宅である「二笑亭」に興味をもちました。建築を取り仕切った主人は1936年に精神科病院に入院し、二笑亭は取り壊されることになります。式場らは解体前にこれを調査し、1938年に調査資料を「二笑亭奇譚」としてまとめました。
わたしの蔵書は1956年に三笠書房から出版された「二笑亭奇譚」です。価格が130円と表記されていることにも時代を感じます。歴代の本も、それぞれ装幀がすてきですね。
2020年2月には、新装版「二笑亭奇譚」が中西出版から発売されました。

