世界中から神経科学者が集まり最新の研究を発表しあう、北米神経科学会とよばれる学術会議が年に一回開かれます。2020年はCOVID-19の大流行に伴い開催が中止され、今年はオンライン上のみでのバーチャル学会となりました。近年は、アメリカ合衆国の3都市、ワシントンD.C.、シカゴ、サンディエゴを交代で回ります。
2019年は会場がシカゴで、ポスター発表をするために参加してきました。学会は5日間の会期なのですが、初日は午後からだったり途中でぽっと見たい発表がない時間帯ができることがあります。そういうときには、会場を抜けて街中に足を運ぶこともあります。前回、2015年のシカゴでの学会ではそんな時間を利用してシカゴ現代美術館にいったのですが、今回はシカゴ美術館にいくことにしました。
美術館には素晴らしい作品がたくさんあり、その規模も想像以上で、じっくり見るには時間が足りませんでした。でもその中で一番印象に残ったのはジョセフ・コーネルの作品群です。「アメリカ美術」の順路をすすんでいると、メイン通路からは少し奥まったところに照明を落とした薄暗い一角があるのに気がつきました。その一角に足を踏み入れてみると、大きなガラスケースがありそこにたくさんの小さな箱たちが並んでいました。それぞれの箱にはひとつひとつ小さな世界が広がっており、魅了されてしまいました。コーネルの箱だけでなく、マルセル・デュシャンの小さな立体作品もあり、非常に充実したコレクションでした。
美術館にはアンディ・ウォーホール特別展の垂れ幕が大々的にディスプレイされていました。なんと、翌日からの開催とのことです。今回の滞在は学会参加がメインですから、なかなか街中を観光する時間がとれません。残念ながら特別展の鑑賞は見送りました。次の機会にまた訪れたい場所です。


