ファンタスティック・プラネット

「ファンタスティック・プラネット」は1973年にフランス=チェコ・スロバキア合作で制作されたSF長編アニメーション映画です。フランスの作家ステファン・ウルのSF小説「Oms en Série (オム族がいっぱい)」を原作としてルネ・ラルーが監督・脚色をしています。原作は、フランス語版に加えて英語版が出版されているようです。

しばらく前に名古屋シネマテークで上映していたので気になっていたのですが、緊急事態宣言もあり行けなかったのでレンタルして観ました。

舞台は地球ではないどこかの惑星。真っ青な肌に赤い目をした巨人ドラーグ族と、彼らに虫けらのように虐げられる人類オム族の、種の存続をかけた決死の闘いを描くー。(『ファンタスティック・プラネット』公式サイトより)

話の中心となるドラーグ族とオム族のそれぞれの造形はもちろんのこと、惑星に生息している動植物も強烈な個性を放っています。笑い声をあげながら、鳥のような生物を捕まえては地面に叩きつけて殺すのを繰り返している籠の中の生き物や、一見植物のようだけど突然動き出すもの、舌で人類を絡めて捕食する巨鳥のような生物…。ハラルト シュテュンプケの「鼻行類」、レオ・レオーニの「平行植物」や、、ドゥーガル・ディクソンの「アフターマン」のような世界観を彷彿とさせます。

これらの奇妙で魅力的なクリーチャーたちはフランスの小説家、舞台俳優、画家と多彩な顔をもつローラン・トポールの原画をもとにつくられました。人物画はチェコ・スロバキアのアニメーターで画家、脚本家でもあるヨゼフ・カーブルトが手がけました。作画ももちろんですが、電子音っぽいサウンドも妙にかっこいいです。サウンドトラックがでているようなので欲しいなあ。フランスのジャズピアニスト、アラン・ゴラゲールが手がけているそうです(Wikipediaによると、彼はセルジュ・ゲインズブールのサイドマンだとか)。

1973年に発表され、その後の多くの作品に大きな影響を与え続けているSFアニメーション映画です。久しぶりに、観たあとも余韻が残り続ける作品に出合えました。

(公式ポスター)

投稿者: Naho KONOIKE

大学の研究室で脳の研究をしています。このサイトでは、研究活動の紹介とともに日々感じたことなどを綴っています。このサイトのコンテンツは個人の見解であり、所属する機関とは関係ありません。

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